「ふぃ~。終わったー…」


数学の時間を最後に、今日の授業は終わった。

課題は星野さんのおかげで、無事提出できた。


「湊、帰ろうぜ」


カツヤがそう言う。


「悪い。今日、部活なんだ」

「あれ。今週はテスト前だから、部活ないんじゃなかったっけ?」

「今日はミーティングがあんだってさ」

「へぇ?じゃあ、仕方ないな」

「じゃ、あたしは湊の事を待ってるよ」


そう言いながら、美香は俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。

…美香はなかなか可愛い顔をしているが、こんなふうにいつもくっつかれてるとトキメキとかがなくなるのが不思議だよな。


他の男がやられたら、間違いなくコロッと落とされるだろう。

他の男にこんな事をやってるのかどうかは知らないけど。


「長くなるかもしれないから、先に帰りな」

「えー」

「ほら、美香。早く離れろ。じゃあ、また明日な」

「ちょっと、智也ぁ!?」


おお、智也。気がきくな。


俺は目だけで智也に礼を言う。


「じゃーな、湊」


カツヤは笑顔でそう言い、2人の後を追った。


…さて、体育館に行くか。