「ごめんね?」

「えーっ!?なんで!?」

「それ。そういうところ」


微笑みながら言うと、その子は口をぽかんと開けた。

俺はきびすを返して歩いていく。

謙一もついてきた。



「なー、直樹。あの子と付き合ってやれば?」

「なんで?」

「可愛いじゃん。それに、上手いってさ」

「校則を守らない子とは付き合えないし、先輩には敬語」

「……堅いな〜」



呆れながら言う謙一。

俺は足を止めて、謙一と向き合った。


そして笑顔で言う。



「生徒会長ですから」