「星野さん!」
先に行く星野さんを呼ぶ。
星野さんは足を止めて、振り返ってくれた。
…その姿に、息を呑んだ。
あまりにも綺麗すぎて。
一瞬、時が止まった気がした。
「…」
星野さんの視線で我に返る。
「あ、えっと…。なんで、バスケ部のマネージャーになろうとか思ったの?」
「やりたいって思ったから…」
「なんか、星野さんってマネージャーとかやりそうにないなって思ってさ。あ、失礼だったらごめん」
「…別に」
…クールだな。
なんか、絡みづらい。
自分で言うのもなんだけど、俺は人と仲良くするのが得意。
でも、こういうタイプの人とは関わった事ないからなぁ…。
「えと…、好きな食べ物は?」
「りんご」
「へぇ。俺はね、とんかつ」
会話終了。
んー…。なんかいいネタはないもんかな…。
女子との会話…。
俺、美香と何話してたっけ?
「あっ。そういえばさ――」
「別にっ…!」
急に大きな声を出して、思わずびっくりしてしまう。
星野さん、大きな声出せるんだ…。
教室では喋んないから、わかんなかった。