「………………」


私は駿の胸から顔を離し、上を向いた。


そこにいたのは―――



―――――困惑している駿。


記憶が戻って嬉しいけど、


まだ信じられないし、


自分は吸血鬼だし……って、考えてるような顔。


「……………」



吸血鬼のこと、最後の最後に伝えたのは自分なのに。


これだけ泣いて喜んでるのに……


私の言葉、信じてないんだ。



……なんかちょっと、腹が立ってきたかも。