その日はちょうど買い物があって、帰りが遅くなる日だった。 重いエコバッグと学生かばんを手にさげて、扉を開いた私は―― 「ただい―……ってアレ?」 すぐに異変に気が付いた。 ……当然といえば当然。 駿の靴が、玄関から消えていたんだから。