~ angel letter ~

「うん。なんかね、朝、家の犬が死んじゃって……」





……電車の中で泣いたのは、後にも先にもその日だけです。






おろおろする友人からポケットティッシュを何個ももらって、何度も何度も鼻をかみました。




(あの時、何でもっと不審に思わなかったんだろう)



(何で気付かなかったんだろう)



(どうして病院に連れて行かなかったんだろう)





後悔と、もう動かないんだという喪失感に、どこに蓄えていたんだろう? というくらい、涙と鼻水が止まらなかったのです。







その時やっと、私の中であなたがどれほど大きな存在だったかを思い知りました。