「お初にお目にかかります…『ブラックベリー』の藤ヶ谷社長ですよね…俺は(株)シーナの新規事業部に勤務する…佐久間郁弥と申します」



郁弥は椅子から立ち上がって、名刺を渡し、丁重な挨拶をした。



「シーナ…あ…椎名社長のトコの…」



「桐生建設の桐生社長とは昔からの知り合いで…藤ヶ谷社長のコトは深く存じ上げています…」




「そうか…」



藤ヶ谷社長は振り返り、テーブルに座っていた若い女性を呼んだ。
私たちのテーブルに近づく若く美しい女性。


「!!?」


郁弥は瞬きもせず、直立不動で固まった。