黒く知的な切れ長の瞳、通った鼻筋に、俺よりも高めの身長。



着ているスーツもゆったりとした感じのオーダーメイド。



「初めまして、ニューヨーク支社から赴任した越塚航です」



「こちらこそ、佐久間郁弥です」



会議室の椅子に座って、和やかな雰囲気で話は始まった。



彼は俺と同じ歳29歳。


「俺はいくつか…佐久間さんの大口の取引先を引き継ぎましたが…『クレイドル』の国貞社長が…」



その名前を聞いただけで、俺はヤバイ…焦燥の汗が額に背中に滲み出す。