「あら?どうしたの?佐久間君」



「越塚さんが俺に用があると・・・」



越塚らしき男はいない。

俺は壁に掛かったホワイトボードでヤツの名前を探す。


「越塚さんは今…商談中。もうそろそろ、終わると思うけど…」


「そうですか…」


「私…越塚さんに伝言頼まれてました。佐久間さんが訪ねてきたら、第二会議室で待っててくださいって…」



珠希がかって、座っていたデスクの椅子に見知らぬ女性が座っていた。


俺が異動の後、入ってきた女子社員のようだ。



俺は鍵を受け取って、第二会議室に向かった。