「すぐに営業課のフロアに行ってくれ…。お前が担当していた取り先を新しく担当する越塚君が何かお前に聞きたいコトあるそうだ」



「分かりました」



内心、ミスで呼ばれたのかと思ってヒヤヒヤしていたけど。


ホッとして、安堵の表情を浮かべる。



ニューヨーク支社から来たエリート営業マンだともっぱらの噂の越塚航(コシヅカワタル)



彼に直接会うのは初めて。



俺は副社長室を出て、営業フロアに足を向けた。



久しぶりに入る営業フロア。


俺の姿に最初に気づいたのはお局・工藤さん。