ベット脇の小さなテーブルに置かれたケータイのアラームがしつこく、鳴り響く。


俺は半分、目を覚ましていた。



手を伸ばして、手探りでアラームを止める。



俺の目覚めは、珠希の声で始まるのが日課。



「起きて…郁弥」


俺よりも先に起きて、お弁当を作り、朝食の準備をして、俺を起こしに、寝室に戻ってくる珠希。



珠希は俺の肩を揺すって、優しく起こす。


「もう、朝か…」


俺は瞳を開き、愛しい珠希の顔を見つめる。