俺は何だか、珠希に罪悪感を感じる。



皆が望む普通の幸福を与えてやれないかもしれないオトコだから。


俺みたいな欠陥品を掴まされた珠希を不憫に思った。



「どうした?佐久間」


「いや、別に…300円だな」


俺は上着の隠しポケットから小銭入れを取り出す。