冬が来れば…また、あの悪夢のような出来事から1年…経つんだね… 「川元さんって今…何してるか…知ってる?」 「川元…?その名前は忘れろ…珠希…」 川元さんの名前を口走った途端。 郁弥の顔つきが険しくなった。 「ゴメン…もうその名前は言わない…」 「そうしろっ…」 一歩一歩…確実に幸福の階段を上がっていっているんだけど。 その階段から突然、蹴落とされそうな不安に駆られる時がある。