* * *


「今夜の店…なかなか美味かったなぁー」


「うん」


郁弥はソファーで座って休憩もせずに、書斎に。


早く藤ヶ谷社長の片腕になりたいキモチはわかるけど、身体壊さないか…心配。


私は温かいコーヒーをマグに淹れて、郁弥の書斎に持っていった。



「サンキュー」


「…夜遅くまで勉強するのはいいけど。寒くなってきたし…身体、壊さないでね…」



「大丈夫…俺…身体だけは丈夫だから・・・」


郁弥は私の気遣いを軽く流して、マグを両手で覆うように持ち、湯気の立つコーヒーを味わうように喉に通した。