「噂だと思っていた…どうして?俺に何も話さなかった?佐久間」



「副社長に迷惑は掛けられませんから…」


「…」



俺と祐副社長はそれ以上、何も話さなかった。



「みんなには…一身上の都合だと伝えておく」


「はい」

フロアに戻った途端、祐副社長が同僚たちに俺の退職を告げた。

新規事業部の仕事は大変だけど、営業と同じくらいやり甲斐があった。


半端のまま、辞めるコトになるなんて…



「本当に辞めるのか?佐久間」


「ああ~っ…お前には迷惑掛けたよな」