皆の憧れの桜神さんが、今私に笑いかけている。


そのことに、ドクドクと心臓が鼓動を刻み始めた。




「桜神さんっていくつ?」


「高一。お前は?」


「莢葉。私も高一だよ。」




そう言ったら、ニコッとまた私に笑いかけた桜神さん。


カッコイイ…。


暗闇に映えるその姿に、頬が熱くなるのを感じる。




今が真っ暗で良かった……。








……これが、私と彼の出歩いだった。




満月が煌々と私達を照らしていた。