雫-シズク-

腕や肩には切ったみたいな線がいっぱいあって、背中には丸くて小さな茶色いあとがいくつもある。


おどろく僕に気付いた葵さんが手を止めてじろっとこっちを見た。


そして急にいそいで服を脱ぐ僕を無視してずかずかお風呂場に入っていく。


僕もばたばたしながら葵さんの横に座ると、その傷みたいな物は太ももやすねにもたくさんあることがわかって、少し怖くなった。


「……じろじろ見んなよ」


ぼそっと葵さんが文句を言ったから、僕の心臓が飛び出しそうになった。


「ごっ、ごめんなさい」


「……別にいいけどさ」