机の上に置いてすっかり忘れていた水のペットボトルを口にあて、ごきゅっごきゅっと一気に半分以上飲み込む。


急に体のべとつきが気になり始めて腕で額の汗を拭き取ると、ノートの下に重ねていた一枚の紙が目に付いた。


とんっとペットボトルを置いたあとそれをするりと抜き取る。


「……三者面談の日程、か」


多少は気が紛れるかと思ってぽつりと言葉に出して呟いてみたけど、血液と一緒に常に全身を巡っている焦りは少しも消えなかった。


紙に書かれた日付はもうすぐだ。


親のいない俺は夏休み前に担任と相談して、桜井さんが学校に行ってくれることになっている。


桜井さんに国立の医大を受けたいと言った時、すごく驚いていたけど応援すると励ましてくれた。


でも。


それを聞いた高木はわざわざ俺を呼び出して、ちゃんと就職しろだの落ちてもその後の生活の責任は持てないだの、手に負えない奴を見下すような顔で散々説教してくれた。