雫-シズク-

「……ずっと二人を、……恨んでたんです。施設で親が自殺したって聞いてからずっと。どうして俺も殺してくれなかったんだろうって、連れて行ってもらえなかった自分は見捨てられたんだって、最近までそう思ってました」


どんな言葉が一番しっくりくるか選びながら話す俺を、顔を歪めたおばさんが泣くのを堪えながら見ている。


「そんな中、やっと見付けた大切な人が自殺しました。その人が死んでから、もうすぐで二年経ちます。俺はまた信じてた人に裏切られたと思いました。だからすごく生きるのが辛くなって、……俺も死のうとしたんです」


そこでおばさんが目を大きく見開き、みるみる震え出す口元を手で押さえ付けた。


でもとうとう赤く潤んでいた瞳から、ぼろぼろぼろっと涙をこぼし始める。


話を続けて大丈夫か少し迷ったけど、おばさんにだけはちゃんと全部聞いてもらいたいと感じた。


「でも気のせいかもしれないけど、死んでしまった彼から生きろって言われたんです。……驚いたけど、嬉しかった。だってそれまでずっと自分は生きてちゃいけない気がしていたから」