そしてひもでしばられた布団や、たくさん重ねてある座布団なんかですごく狭くなっている廊下をまっすぐ歩いて、少し広めの部屋に入った。


大きなテーブルと形の違う椅子がいくつもあるだけで、がらんとしていて淋しい感じ。


「ここはみんなでご飯を食べる食堂。毎日栄養士さんと調理師さんがご飯を作ってくれるから、残さないで食べましょうね」


その食堂をまたまっすぐ行くと奥に階段があって、そこから二人で二階に上がった。


階段のはじにある服やタオルがはみ出したまんまの段ボール箱を見ながら、とぼとぼ桜井さんについていく。


「みんな2~3人で一部屋を使っていて、圭介くんの部屋はこっちよ」


ドアが並ぶ廊下の一番奥の部屋で桜井さんが立ち止まって、がちゃりと開けた。


薄暗い部屋の中から、ぼわっとむし暑い空気が流れてくるのを感じた。