「……点滴が終わる頃にまた来るわね」
俺の様子を見かねたのか、桜井さんがそっとカーテンの向こう側に姿を消した。
するとすぐに桜井さんが誰かに話しかける小さな声が聞こえてきた。
「あっちはどうなってます?」
「母親と再婚相手が一緒に来たんですけど、わめき散らして話にもなにもなりませんよ。それも死んだ佐伯の顔もろくに見ないで葬式代と慰謝料を払えって……」
ぼそぼそと聞こえてくる男の声が坂井さんのものだと気付いた俺は、どくんどくんと暴れ始める心臓を押さえながら二人の会話に集中した。
「それで今は葵くんのそばに?」
「いえいえ、佐伯はここの突き当たりの病室に移されたんですが、そこにいたのはほんの数分でしたよ。僕じゃ話にならないって判断したのか、煙草片手に二人でどこかに行ってしまいました。……まったく佐伯も最後にとんだ騒ぎを起こしてくれたもんです」
話の内容と坂井さんの呆れたような口調が俺の全身の血液を逆流させる。
俺の様子を見かねたのか、桜井さんがそっとカーテンの向こう側に姿を消した。
するとすぐに桜井さんが誰かに話しかける小さな声が聞こえてきた。
「あっちはどうなってます?」
「母親と再婚相手が一緒に来たんですけど、わめき散らして話にもなにもなりませんよ。それも死んだ佐伯の顔もろくに見ないで葬式代と慰謝料を払えって……」
ぼそぼそと聞こえてくる男の声が坂井さんのものだと気付いた俺は、どくんどくんと暴れ始める心臓を押さえながら二人の会話に集中した。
「それで今は葵くんのそばに?」
「いえいえ、佐伯はここの突き当たりの病室に移されたんですが、そこにいたのはほんの数分でしたよ。僕じゃ話にならないって判断したのか、煙草片手に二人でどこかに行ってしまいました。……まったく佐伯も最後にとんだ騒ぎを起こしてくれたもんです」
話の内容と坂井さんの呆れたような口調が俺の全身の血液を逆流させる。


