雫-シズク-

肩から手首にかけて長い包帯を巻き終えたあと、俺の横に桜井さんが座ってふうっとため息をついた。


「これでひとまず大丈夫。……圭介くん、聞かせてくれるかな?」


僅かに頷いた俺は部屋での出来事を言葉を選ぶように少しずつ話していった。


俺の話に徐々に桜井さんが表情を強張らせていく。


室内の指導員達も聞こえてくる惨劇にみんな暗い雰囲気だ。


途中混乱していたせいか、ついさっきのことなのにうまく思い出せなくて何度も言葉に詰まってしまう。


でも俺はなんとか時間をかけながら、最後は手で口を塞いで目には涙を溜めた桜井さんに見守られて、たどたどしいけど冷静に全てを語り終えた。


「……覚えてない部分もあるかもしれないけど、これが全部だと思います」