一瞬ふっと葵さんが笑った気がして、一心不乱に視線の先のナイフと格闘していた俺は少しだけ顔を上げた。
「そうだ……。俺を、一生許すな……よ……」
意識が腕からそれたせいか、僅かに力の緩んだ俺は次の瞬間ベットの下に弾き飛ばされていた。
激しく打ち付けたはずの腰に、ほとんど感覚がない。
無理な体制でひねった腕にも。
なにかを絶叫してしぼり上げた喉にも。
葵さんが生きてくれるならそんな少しの痛みなんかどうだっていい。
でも。
俺が見上げた葵さんはすでに。
……血だらけだった。
声帯が許容範囲を越えるくらいの悲鳴を出しているはずなのに音はなんにも聞こえず、びゅっびゅっと首から血しぶきを噴き上げる葵さんに飛び付いているはずなのに、全てがスローモーションで。
「そうだ……。俺を、一生許すな……よ……」
意識が腕からそれたせいか、僅かに力の緩んだ俺は次の瞬間ベットの下に弾き飛ばされていた。
激しく打ち付けたはずの腰に、ほとんど感覚がない。
無理な体制でひねった腕にも。
なにかを絶叫してしぼり上げた喉にも。
葵さんが生きてくれるならそんな少しの痛みなんかどうだっていい。
でも。
俺が見上げた葵さんはすでに。
……血だらけだった。
声帯が許容範囲を越えるくらいの悲鳴を出しているはずなのに音はなんにも聞こえず、びゅっびゅっと首から血しぶきを噴き上げる葵さんに飛び付いているはずなのに、全てがスローモーションで。


