雫-シズク-

そんな俺を表情のない葵さんがぐいっと押し退けたけど、かえって支えを失って激しくぐらついてしまった。


と、とにかく早く誰か呼ばなきゃ!


ほんの少しの時間でも目を離したくはなかったけど、俺が行かなきゃどうしようもない。


「ちょっとだけ部屋出るけどそのまま待っててよ!?すぐ戻るから!」


ちゃんと聞いているかどうかもわからない虚ろな瞳が俺の胸をしめつける。


俺は葵さんが倒れないように注意してベットを降りると、ゆっくり体を離した。


そこでふと、手だけをもそもそと動かしている葵さんに目をとめる。


なにか……、探してる?まさかまた薬飲む気じゃ……!


気になって葵さんに話しかけようと顔を近付けた時、俺はありえない物を見付けてしまった。