雫-シズク-

ぐしゃぐしゃになった大量の薬の残骸。


飲みかけの大きなペットボトル。


俺達がふざけて撮り合った数枚の写真。


何回も繰り返して読んでいた葵さんのお気に入りの漫画。


そして、生気のない真っ白い顔の俺の一番大切な人。


それらが次々と俺の視界に飛び込んできた。


心拍数が一気に上がって、パニックになりかけた自分をどうにかしながら状況を把握しようとする。


「ねぇこれ飲んだの!?空のやつ全部飲んじゃったの!?」


力いっぱい揺すっても動かない葵さんがその答えだ。


「やばいよ……!!吐かせなきゃ!!」


人を呼びに行く時間すらもどかしくて、そのまま葵さんの上半身を力ずくで抱き起こした。