雫-シズク-

狭い室内をぱっと見回してベットに膨らみを見付ける。


荷物を整理した様子が全然なくて苦笑いした俺は、鞄をドアの横に置いて静かにベットに近付いた。


葵さんをぐるっと囲む低い木枠に片手を付くと、床に膝をついてこんな日にまでさぼるマイペースな葵さんに声をかける。


「葵さん、俺帰って来ちゃったよ」


相変わらず寝起きの悪い葵さんに反応はない。


「あのさ、葵さんに話したいことたくさんあるから会いたくなっちゃって。今日は寝ないで語ろうよ」


布団に潜り込んで俺に背中を向けたまま起きる気配のない葵さんの耳元に、そっと青い鈴を近付ける。


チリチリチリーン


「葵さーん、起きてよー。珍しい時間に起きたから爆睡してるのー?」