正直亮くんとは二度と会いたくないし、これ以上面倒なことには関わりたくない。


とにかくまわりのどうでもいい人間には、俺に構わず放っておいて欲しいと願うばかりだ。


そしてそれに比例するみたいにどんどん葵さんへの信頼感だけが深まっていく。


葵さんからも同じ気持ちを感じることが凄く嬉しいけど、これが友情ってやつなんだろうか?


いや、きっと俺達はそれよりもっと濃い絆なんだと信じている。


そう、血なんかよりも。


「んじゃまたあとでね」


「おう」


びゅうびゅうと音を鳴らす風の中、俺はまともに振り向きもしない葵さんの後ろ姿を少しだけ見送って、上着のえり元をぎゅっと掴み学校へと向かった。