運転しているおじさんが、ふんっと変な声を出して笑った。


「そんな物持って行ったらみんな気持ち悪がるだろう。私が寺に預けてやるから」


お母さんから僕を力ずくで引きはなしたくせに、小さくなったお父さんとお母さんまでおじさんはどこかに連れて行っちゃうの?


腹が立った僕は抱きしめている腕に力を入れて口答えした。


「そんなのひどいよ!みんなで行くんだよ!新しいお家で一緒に暮らすんだ!」


ずっと前を向いていたおじさんが、後ろに座る僕をにらんで大声で怒鳴った。


「いい加減にしなさい!圭介、お前の父親と母親はお前なんか放って無責任に死んだんだぞ?その尻拭いをやってやるのに感謝の気持ちもないのか!」


僕は怒られたショックとはなればなれになるかもしれない怖さで泣きそうになったけど、ぐっとこらえた。