雫-シズク-

どうして大丈夫だって言い切れるの?あんな奴ら、この先だってなにするかわからないじゃないか。


その時、俺ははっとして受話器を握る手に力を込めた。


「亮くん、まさかなにかしてないよね?」


探るような俺に聞いたことのない気味の悪い笑い声が返ってくる。


「ふふふふ、俺さぁ、あいつらにいいように使われてたんだ。パシリやったり金出したり……。でもそうすれば仲間だって言ってもらえたから嬉しくてさ。あんな奴らでも俺の唯一の居場所だったんだ」


あれが亮くんの居場所……。俺達がそれを見付けるのはたしかに難しいけど、あんな不良なんかが……。


でもそれについてなにも口だしするつもりのない俺は、そのままじっと無言で話を聞いた。


「けどさ、お前に助けられたあのリンチあるだろ?あれ、どうしてだったかわかる?」


急に聞かれても答えなんかわからない俺は、微かに首を傾げることしかできない。