悲鳴のような体中の痛みに思わずそのまま頭を抱える。


その右手は小刻みに震えていた。


「圭介?起きたか?」


なぜだかとても懐かしく感じたその声にはっとすると、カーテンのすき間から顔を出している葵さんを見付けた。


なにも言えない俺を見て、葵さんが静かにベットの脇の椅子に腰かける。


「骨折で全治一ヶ月だと。念のため2~3日入院したら、あとは通院でいいそうだ」


口を開けたけど喉に力を入れないと声が出てこない。


「……どうやって、……ここに?」


酷くかすれた言葉をなんとか押し出すと葵さんが小さく頷いた。


「お前が公園で倒れてるのを犬の散歩してた人に発見された。近所のじいさんでさ、お前も顔くらいは見たことあると思うよ。で、すぐ学園にも連絡入ってさ」