ちょうど下から声が聞こえて葵さんもベットにいることがわかった。


でも起きたばかりのずしっと重たい体のせいでお腹はすいていない。


「……あんまり食べたくないです」


「そっか。じゃ、あとで食堂行こうぜ」


「……はい」


もう起きなきゃいけないと思ってはしごをのそのそ降り始める。


「少しは落ち着いたか?」


そう言われてぴくんと足を止めた僕は、葵さんに自分の心の中を思いきりぶつけてしまったことを考えた。


本当はうれしかったけど悪いことをした気持ちになって胸がぎゅうっとする。


「あの、泣いちゃってごめんなさい」


葵さんに嫌なやつと思われた気がして、はしごの真ん中に止まったまま小さな声であやまった。