目をぎゅっと閉じたあたしは、
痛みが走るはずの左の頬に
痛みが走らない事に気がついた。



ゆっくりと目を開けたらそこには……








満月
「つっ………………ばさ……」






あたしは安心したのか次々に
涙が頬に伝う。






「満月に何してんの?」



あからさまにキレている
冷たい瞳の翼を見るのは
初めてだった。



翼は問題事が嫌いだったから
平和主義者だった。


でも翼の右手にはギャルの
振りかざした右手があった。