「はぁい、できたよ~」
一瞬、夫婦に思えた。
本当にそうだったらいいのにな・・。
花純が笑顔で持ってきたものは、グラタンとポテトサラダだった。
「やばっ!本格的じゃん!」
「えへへ…」
「こんな子でも、作れるもんなんだ」
「わっ、ひどー」
「だって、本当のことじゃん」
「あぁ、そうですか。じゃあ食べなくていいよーだ」
花純はリビングまで来たのに、Uターンしてキッチンに戻った。
やられた…
「食う!」
俺は立ち上がって、キッチンに行った。
花純の手からグラタンを奪う。
「…ごめんって、許して!」
そう耳元で言いながら。
心臓、やば。

