しばらく経つと紅愛が到着したとの連絡が入った。
岡が待機室を出て入れ替わりに…
「蓮っ!」
紅愛が入って来た。
高いキーンとした声を出して、香水臭い香りを振りまく。
繋いでる花純の手を俺は何があっても離さない。
「どうも…」
「蓮!なんで交際宣言したの?
彼女はあたしでしょ?…まさか、この隣にいるブスが彼女?」
紅愛は軽蔑の眼差しで花純を見た。
…マジで花純を傷つけんのだけは無理。
「あぁ、そうだけど?」
「冗談でしょ?なんでこんな子とっ」
紅愛がそう言って言い返そうとした時。
「ぐすっ…んっ…ぇん…」
俺の彼女は隣で声を抑えながら泣いていた。
抑えようとしても漏れる声。
これだけ辛い想いをさせてるのは
間違いなく俺。
…最低の彼氏だ。

