着替え終わり、朝食を食べる暇もなくあたしたちはバタバタしていた。
「花純、印鑑忘れるなよ!」
「へっ?印鑑?...ごめん、何それ」
「はぁ...はんこだよ、はんこ」
蓮君はため息交じりで言った。
はっはんこなんかいるんだね。
確か、小学校低学年の時に遊んだはんこがあるはず...
机の引き出しを漁ると見つけた。
ハムスターがいろんな言葉を言ってるハンコ。
一番マシなのは...「ありがとう」のかな?
それを手に取って蓮君に見せに行った。
「はんこなんだけど...これでいい?」
蓮君に差し出す。
「...は?」
「えっ?はんこ...これ、はんこだよね...」
なんでそんな驚いた表情するの?
不安になるじゃん!
そう思ってると蓮君はいきなり笑い出した。
「っあはははははは!」
...あの~...

