「本当にありがとうございますっ!」
「三浦君には、この事務所を支えてもらってると言っても過言ではないからな」
「いえっそんな!」
「そんな調子だから、売れてる三浦君には同棲はもはや、交際も本当は嫌だったんだが…」
「…」
「三浦君には、青春や恋を楽しんでほしかったからな」
「…社長」
「ただし、本当にルールは多いぞ?」
「それは覚悟の上です」
「じゃあちょっと待ってなさい」
社長さんは立ち上がって、社長室のまた奥にあるドアに手をかけて、
その部屋に入っていった。
そして俺は、社長さんの後姿に心の中でささやいた。
『本当にありがとうございます…』と。

