撮影現場だなんて、忘れてあたしはお構いなしに大きな声を出してしまった。
周りにいた一部の人が、あたしに注目する。
「…すいません…」
その人たちにお礼を言って、すぐに電話に出る。
「もしもし…」
『花純?今どこ?何分待たせるのよー!』
「あっの…ごめんなさい!ほんっとにごめんなさい!」
あたし、彩菜ちゃんとの約束忘れてた…
最悪じゃん。
自分の馬鹿!
『花純だから許すけどさぁ…
今どこ?』
彩菜ちゃんがそう言うと、あたしの周りにいたスタッフさんたちが
ざわざわと動き出した。
カメラマンさんたちもカメラのセッティングをしだした。
ん?
どしたんだろ…?

