「おいっ、栗山花純どこだ!」 後ろから悠くんの怒鳴り声が聞こえてきた。 「ひゃっ!」 あたしは咄嗟に蓮君の後ろに隠れた。 「かっすみ?どした…?」 「今、変な男の人に追いかけられてるのっ」 「あっいた!マジで早くヤらせてよね」 そう言って、足音が大きくなっていく。 「蓮君っ」 思わず、蓮君の服の裾をぎゅって握った。 そしたら、静かに手を重ねてくれて… 「ちょっと待ってろ」 一言嘆いて、悠くんの方に向かって行った。