愛のMelody【完】

すると龍崎は楽譜を見ながらゆっくりと弾き出した


何だろう 


不思議と龍崎の音色は嫌じゃない


心地よさまで感じる


決して上手いとは言えないけど、何故か心がスーッと軽くなる感覚


「どう?

……泣いてる?」


一通り弾き終わった龍崎が振り返った


私の頬には涙が流れていたんだ


「ごめんっ、やっぱり嫌、だったよな…」


私は涙をグイッと拭いた


「ううん、そんな事ない。

練習しよう」


何故涙なんて流れたのかわからないけど


嫌じゃなかったのは本当だった