「やめてっ!」


今度は私が叫んでいた


「華音ちゃん?」


「私、帰るっ!!」


私はそう言って走り出した


これ以上あの場にはいられなかった


私は逃げ出したんだ


千南さんは私を知ってる


ピアニストとしての鈴谷華音を…


まさかこんなに早く私を知ってる人に出会うなんて思ってなかった