「それには理由が…」


「どんな理由があろうと、去っていった事実は変わらない。

相手にとっては終わったことなんだ」


「俺にとってはまだ終わってない。

会って、話がしたいんだ。

華音が好きなんだよ」


「女なら他にいくらでもいるだろう?」


「他の女じゃ意味ないんだよ!

華音じゃなきゃ。

一度だけでいいから許してくれよ」


「一度だけだぞ。

それで無理なら諦めろ。

二度とその女の話はするな。

それが約束出来るなら行くことを許可してやる」


「親父、ありがとう」


そうして俺はフランスに向け飛び立った