「やっぱり可愛いなぁ。」





ハンガーに掛けられている、これから三年間通う事になる高校の制服を眺めながら呟く。




やっぱり制服第一で高校を選んだだけあった。





灰色と黒の細い線が交わってできたチェック柄のプリーツスカートに、薄ピンクのブラウスを第二ボタンまで開けて着る。



そこに、薄い灰色と薄ピンクのボーダーが斜めに入ったネクタイを緩く結んで白のカーディガンを羽織って、くるり。



一回、回転してみた。





二色の色が混ざったチェックのスカートがひらひらと舞う。




中学のセーラー服とは違う、カラフルな色使いの制服を着た自分を鏡越しに見ると、ちょっと大人になったような気分になった。





と、





「みや!早くご飯食べて学校行きなさい!!入学早々、遅刻したいの?」





きーん、と一階からの距離なのに私の耳に影響を及ぼすくらいの怒鳴り声が家中に響いた。




耳を押さえながらその言葉に慌てて時計を見る。





「え。今、何時…ぎゃー!!行ってきます!」



「ちょ、朝ごはん!!」



「遅刻するから無理!!!」






気を付けなさいよ、という大きな声に背中を押されながら家を駆け出す。




朝から忙しくバタバタしている私。岩本みや、は今日から晴れて憧れの高校生になります!