と、廊下の真ん中にわざわざ移動して確認していた綾がピタリと動きを止めた。
お?なんだ。急に止まるなんて珍しい。
そう口から出そうになるのを寸でのところで止めて、綾が凝視している方向に視線を持っていく。
見た瞬間、綾の動きが止まった原因が分かって深く頷いた。
あー、うん。カッコいいねぇ。
コツコツと足音が聞こえてきそうなほど軽快に歩いてくるその人を見つめる。
二重でどっちかというと横に流れるような目で、鼻はすっと通っていて彫りがある。
黒に近いけれど、茶色の髪の毛が風が吹くたびにさわさわと靡く。
藍色のスーツが程よく焼けている肌に合っているな、と思わず関心の声を漏らした。
………って、ん??
藍色のスーツ?
学生さんはスーツなんか着ないよね?この学校でスーツを着るのは先生くらいでしょ。
「……って、綾!あれ先生なんじゃない?」
「うわー、マジで?かなりレベル高いんだけど!鼻血出そう!!」
「出しとけばいいじゃん。」
鼻をつまんで「マジ、イケメン最高イケメン最高。」と呟いている綾に笑う。
綾って本当、面食いだ。

