私は携帯を手にとり、もう既に5分は携帯とにらめっこしている…。


こんなはずじゃなかったのに。

バイトを終えて家に帰ったら、カズに電話するって決意は固かったはずなのに…

やっぱり、修司とカズの友達のあの言葉がどうしても気にかかってしまう。



そうだ…カズのこと好きじゃないって思うことにすればいいんだ。


カズはただの友達…




私は息を止めて目をつむる。
――ピッ。



私の親指は、ようやくカズに繋がる発信ボタンを押した。