「あのぉ…カズの友達だよね?カズ、今入院してるの…?」

カズの友達はキョトンとしてこっちを見てるだけ。
そりゃそうだよね…あたしのこと知らないんだし…。


「あっ、ごめんね急に。あたし、カズの知り合いっていうか…、」


「亜希って人でしょ?」


カズの友達はいきなり私の名前を口にしたのでびっくりした。


「知ってたんだね…。あの…カズが入院してる病院知ってたら教えてくれないかな?」


それを聞いたカズの友達は一瞬困った表情になり、少し間をおいて口をひらいた。



「カズのこと好きなの?だとしたら、やめといた方がいいよ。」


「…え…?」


その瞬間、私の胸に刺さった小さなトゲの痛みで、言葉を失いボーゼンとしてしまった。


カズのことやめといた方がいい?
もし好きなら…

その言葉に戸惑ったけど、前からわかってることを言われた気がした。
そうだ…こないだの修司にも似たようなこと言われたんだっけ…
あらためて、私の知らないカズがいるんだってこと確信した。
まだまだ私とカズとの距離が遠いんだってことも…。