「よしっ!決めた。これ買お♪」



え?うそ。


カズは、早速さっきの店員を呼んでガラスケースからその二つのペンダントを出してもらっている。


何の迷いもなくレジに向かってる。



いやいや、待てよ。

実は本命の彼女がいて、その子に買ったのかもしれないし。

そうよ、それに私達は付き合ってるわけじゃないしね。



カズはペンダントを手に、にこやかにレジから戻ってきた。



「亜希。はい、これつけて♪」


「私に?」



「…つけてやるよ。」

そう言って、カズは私にペンダントをつけてくれた。



「ありがとう…。」



なんか恥ずかしくて、それしか言えなかった。もっと嬉しいって素直に本当の気持ち伝えたかったのに。



本当に、すっごく嬉しかったんだよ。


「気にいってくれた?」


「うん…大切にする!」


初めての気持ちを、また一つカズにもらった。


そして、おそろいのペンダントも…。