そして、約束時間に間に合うように家を出た。


コンビニに行くといっても今日はいつもと訳が違うから、歩いてコンビニへ向かった。



コンビニに行く途中に、バス停がある。


そのバス停に近づくにつれ、そこに一人の男の人がしゃがんでいるのが見えてきた。


ヤンキー座りでタバコを吸っている様子。



さらに近づくと、どうやらカズではないか。




「おっはよ♪亜希!」


亜希って…そういやまだ名前教えてないままなはずなのに、なんで…?

「おはよ。てか、なんでここにいるの?」


「おっバス来た。ナイスタイミング!」


ちょっと…人の話聞いてよ。

「コンビニで待ち合わせって言ったじゃん。」


「ほら、行くぞっ。」


だからさ…聞いてってば!



カズはさっと私の手を引っ張り、バスに乗り込んだ。

バスに乗ってからも、カズは私の右手を握ったまま離さない。

以外にも大きくて男らしいカズの手。


こんなに強く男の人に手を握られるなんて初めてだから、私の心臓は正直にドキドキ鳴り始めた。


私には、手を繋ぐことさえも心の準備が必要なのに…


カズはそう、心の準備ってもんをさせてくれない。



カズと出会ってから初めてな気持ちが増えてく。