「首、みてごらん?」


まるで耳元で囁かれているような甘いボイスにぼーっとする頭で首元をみる


『つけてくれたの?』


私の首にはさっきのネックレスがつけてあった


正直私には可愛いすぎる


「季子、こっちむいて下さい。今から勉強はじめます。」



いつの間にか口調が戻っていた


そうだ


奏多に惚れてる場合じゃない


奏多は家庭教師なんだもん


ちゃんとけじめつけなきゃ


『プレゼントありがとうございます。教科書、何ページですか?』


机に手を伸ばし教科書を取りペラペラとめくる


そう、教科書をたてにして奏多と顔を合わないようにする為


でも奏多はそうはさせてくれない


「今日は教科書は必要ありません。」


目の前から教科書が消える


『でもそれじゃ勉強にならないんじゃ…』