よくみると床にピンクの細長い箱が落ちていた


明らかに私のものではない


『奏多…それ…』



奏多は無言で立ち上がり箱を私の目の前に突き出す


「季子、誕生日おめでとう。」


忘れていた


一日中奏多の事ばかり考えていて自分の事なんて

誕生日を覚えていてくれていた事がなにより嬉しい


「本当はサプライズで渡したかった。」


ありがと


奏多 でもね ?


『こういうのは、もういいよ?いくら幼なじみだからって、奏多も大学生だし。来年からは彼女さんにでも…』



「全然分かってない。」


奏多の表情が険しくなる

「季子が幼なじみだからあげてるんじゃない。」

奏多はピンクの箱をゆっくり開けると可愛いネックレスが目に入った



「目、瞑れ。」


何故か逆らえなくて大人しく目を瞑る


すると首にひんやりとした何かがあたる


「目、開けて。」


ゆっくりと目を開けると奏多の顔が近くにあり思わず目線をずらす