『泣いてなんかないですよ?』


「俺のせいか?」


どくん


お願い聞こえないで胸の鼓動


「季子がそんなだと俺どうしていいか分からない。だから…」



肩にあった重みがなくなり奏多が私の視界にはいってくる


顔がだんだん近づく


やめてよ


奏多にはちゃんと好きな人とこういうことしてほしいから


軽はずみでこんなことしちゃ


『駄目っ!!』


ドンッ



「いったっ…」



突き飛ばされた奏多は顔を歪めていた